ガス給湯器は主に一般家庭の給湯に用いられている器具で、都市ガスやプロパンガスを燃焼させた熱によって水道水を加熱し、風呂や台所で使うお湯を作り出す機器です。
ガスを燃焼させる際には酸素が必要であり、一度に大量のガスを継続して燃焼させるためには酸素を燃焼部に送り込む必要があります。多くの機器ではファンに電気モーターが付いたファンモーターを回転させて空気を燃焼部に送っています。
ガス給湯器は給湯を行っている間は常にファンが回転し続けていて、この時にモーター音などが発生します。通常は風切り音程度ですが、カラカラやキーンのようなうるさいモーター音などがしたり、振動がする場合があります。これらはモーターとファンとをつないでいる軸がずれることで発生したり、駆動部の回転軸が故障して起こることが多いです。
ファンモーターがじゅうぶんに機能しないままで燃焼させると、酸素不足による不完全燃焼を起こすため非常に危険です。給湯機は屋外の壁に設置されていることが多いのですが、機械室などの屋内にある場合は一酸化炭素中毒の原因となりえますので特に注意が必要です。燃焼がうまくいかない場合は、自己診断機能によって自動停止したりエラーメッセージが出るガス給湯器もありますが、古いタイプの機器ではこうした機能がありません。
お湯の出方やお湯の温度によってガス給湯器の故障が初めてわかるケースが多いのですが、機器の正常時に発生するモーター音などを覚えておいて、モーター音がうるさい場合や普段とは異なる音がするようになったら、ガス給湯機を設置会社やメーカーに点検を依頼する必要があります。